共同生活援助(グループホーム)についての解説第四弾です。
今回は実際にグループホームの運営を行っていくために重要となる国からの報酬についてです。
グループホームの類型や利用者さんの特性によっても条件が異なりますので、
それぞれの注意点を踏まえながら解説していきます!
まず、国からの報酬は主に以下のような条件によって変化します。
①サービスの種類(介護サービス包括型、日中サービス支援型等)
②世話人の配置人数
③利用者の障害支援区分
それぞれの条件によって利用者(入居者)一人当たりの報酬単価が算出できますので、
ひとつずつ確認していきたいと思います。
①サービスの種類
大きく分けると、以下の2種類になります。
・介護サービス包括型 → 共同生活援助サービス費
・日中サービス支援型 → 日中サービス支援型共同生活援助サービス費
基本的には必要とする支援の度合いが高い方を対象とした「日中サービス支援型」の方が、
より手厚いサービスを提供する必要があるため、報酬も高く設定されています。
ただし、この「日中サービス支援型」については、
日中をグループホーム内で過ごしたかどうかによっても報酬が変わってきます。
当然、日中もグループホーム内で過ごした方が、サービス提供時間が増えて報酬は高くなります。
利用者さんによっては、生活介護(デイサービス)や就労事業所、買い物や帰省など、
日中時間帯はグループホーム以外で過ごす場合もあるので、都度報酬が変わる可能性もあります。
②世話人の配置人数
基本的には世話人を多く配置すると、手厚いサービスの提供が可能となるので報酬も高まりますが、
算定要件はサービスの種類によって以下の枠で決められています。
・共同生活援助サービス費(介護サービス包括型)
(世話人の配置)4:1以上、5:1以上、6:1以上
・日中サービス支援型共同生活援助サービス費(日中サービス支援型)
(世話人の配置)3:1以上、4:1以上、5:1以上
利用者5人に対して世話人1人よりも、利用者4人に対して世話人1人の方が、
一人当たりに対するサービスも手厚くなるので、報酬も高く設定されています。
※実際には世話人は常勤換算なので、単純な人数だけでは表せない場合があります。
(常勤換算については、解説記事vol.2をご参照ください!)
長期的に安定した運営を続けていくには、サービスの質と人件費を考慮した配置の検討が必要です。
③利用者の障害支援区分
障害支援区分は、区分無しと0~6まで段階的に分かれており、数字が高くなるほど必要となる支援の
度合いが高まるため、報酬も区分の高さに比例して高く設定されています。
ここまで挙げた条件を以下の一覧に当てはめて、利用者一人当たりの報酬単価を算出します。
実際の金額は下記の○○○単位に対し、地域区分に応じた単価を掛けることで算出できます。
山陰の単価は10円なので、該当する単位に10を掛けたものが一日の報酬単価となります。
(※都市部などの一部地域では、地域区分ごとの単価の割合が異なります。)
(例)
①介護サービス包括型グループホーム
②世話人配置4:1
③障害支援区分3
→ 381(単位)×10(地域単価)=3,810円/日
介護サービス包括型グループホームの場合
【共同生活援助サービス費(Ⅰ)】
〈世話人配置4:1以上〉
【共同生活援助サービス費(Ⅱ)】
〈世話人配置5:1以上〉
【共同生活援助サービス費(Ⅲ)】
〈世話人配置6:1以上〉
【共同生活援助サービス費(Ⅳ)】
〈体験利用〉
日中サービス支援型グループホーム(※日中を含む常時の支援体制を確保)の場合
【日中サービス支援型共同生活援助サービス費(Ⅰ)】
〈世話人配置3:1以上〉
【日中サービス支援型共同生活援助サービス費(Ⅱ)】
〈世話人配置4:1以上〉
【日中サービス支援型共同生活援助サービス費(Ⅲ)】
〈世話人配置5:1以上〉
【日中サービス支援型共同生活援助サービス費(Ⅳ)】
〈体験利用〉
日中サービス支援型グループホーム(※日中を共同生活住居以外で過ごす)の場合
〈世話人配置3:1以上〉
〈世話人配置4:1以上〉
〈世話人配置5:1以上〉
〈体験利用〉
以上、報酬単価の算出に関する解説でした。
今回は基本となる算定基準に関してご説明しましたが、
実際には更に多くの加算・減算要件等があり、事業計画の作成には確認が必要です。
グループホームは利用者さんに対して、生活の拠点となる住まいを提供するサービスであるため、
長期的に安定した運営を続けていく責任があります。
ラシクスルでは実際の運営を想定した事業計画の作成も行っておりますので、
「もっと詳しく知りたい!」という方はお気軽にお問い合わせください♪