共同生活援助(グループホーム)を運営するうえで、国からの基本報酬とは別に「加算」についても
知っておく必要があります。
多くの加算項目がある中で、今回は特に運営に大きくかかわる「夜間支援等体制加算」について
解説いたします!
(※この加算は「介護サービス包括型」のグループホームが対象です。「日中サービス支援型」の場合
は夜勤の配置が必須であるため、基準よりも多く配置した場合のみ「夜勤職員加配加算」という別の加
算が適用されます。)
夜勤の仕事とは?
「介護サービス包括型」のグループホームでは夜間支援従事者の配置は任意となっていますが、
「夜間の支援を必要とする利用者」に対して、「22:00~翌朝5:00」の夜間時間帯に人員を
配置(夜勤または宿直)するか、連絡体制等を構築することで加算を得ることができます。
利用者さんやそのご家族にとっても、夜間に対応してもらえるかどうかによって安心感が違うため、
入居するグループホームを探される際にも「夜間対応が可能」なところを優先される方もおられます。
実際に夜勤の方が行う基本的な業務内容は以下となります。
・就寝準備の確認。
・トイレ介助、寝返り介助等。
・緊急時の対応。
(※更に複数の住居の夜間支援を行う場合は、各住居を1回以上「巡回」する必要があります。)
「夜間支援等体制加算Ⅰ」の加算額は?
「介護サービス包括型」のグループホームにおいて、夜間支援従事者を配置(※個別支援計画に基づ
く)すると「夜勤支援等体制加算Ⅰ」を算定することができます。
一つのグループホーム内にて、一人の夜間支援従事者が何人の利用者を対象として支援を行うか、
その対象者の障害支援区分がいくらかによって、以下のように報酬単位が変動します。
(※対象利用者数は現在の「入居者数」や「定員数」ではなく、「前年度の平均利用者数(小数点以下
第一位を四捨五入)」で算定します。)
【夜間支援等体制加算Ⅰ】
対象利用者数 | 区分4以上 | 区分3以上 | 区分2以下 |
---|---|---|---|
2人以下 | 672単位/日 | 560単位/日 | 448単位/日 |
3人 | 448単位/日 | 373単位/日 | 299単位/日 |
4人 | 336単位/日 | 280単位/日 | 224単位/日 |
5人 | 269単位/日 | 224単位/日 | 179単位/日 |
6人 | 224単位/日 | 187単位/日 | 149単位/日 |
7人 | 192単位/日 | 160単位/日 | 128単位/日 |
8人 | 168単位/日 | 140単位/日 | 112単位/日 |
9人 | 149単位/日 | 124単位/日 | 99単位/日 |
10人 | 135単位/日 | 113単位/日 | 90単位/日 |
なお、一つのグループホーム内にて、二人以上の夜間支援従事者が支援を行う場合は、利用者数に
応じて対象者数を按分して算定します。
【計算例】
① 夜間支援従事者:1人
利用者対象者:5人
(区分4:1人 区分3:2人 区分2:2人)
269単位+224単位×2人+179単位×2人=1075単位
② 夜間支援従事者:2人
利用者対象者:5人
(区分4:1人 区分3:2人 区分2:2人)
実際に夜勤Aさんが2人対応(区分4:1人、区分3:1人)
夜勤Bさんが3人対応(区分3:1人、区分2:2人)したとすると・・・、
Aさん(672単位+560単位)+Bさん(373単位+299単位×2人)=2203単位
上記のように、利用者さんの人数や区分、従業員の配置によって計算式が異なりますので、
夜間支援の必要性はもちろん、運営にあたっては報酬と人件費の兼ね合いも忘れず、長く安定した
サービスを行っていくことが重要です。
以上、夜間支援従事者を配置した場合に得られる「夜間支援等体制加算」についての解説でした!
もう少し細かく見ると今回の(Ⅰ)以外にも、宿直の配置で算定する(Ⅱ)や防犯・防災体制を整備
することで算定する(Ⅲ)など、いくつかの種類があります。
繰り返しになりますが、グループホームの運営にあたって「夜間支援等体制加算」は必ず考慮すべき
部分となりますので、これから運営を検討されている方はぜひご相談ください♪